ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。





「あいつ…」



苦虫をかみつぶしたように顔を歪めた魔王が、呆然と立ちつく私を見てチッと舌打ちをした。



「気にすんな。ただの二重人格だから」




そして魔王も私を置いてさっさと部屋の奥に引き上げる。





気にすんなって言われても…無理だよ~!








頭の中ごちゃごちゃのままリビングに入ると、ソファに座る宮前龍太郎と、その正面には魔王の妹であるうららちゃんの姿が。




「あっ、りのちゃん久しぶり~!
あのね、龍ちゃんにこのこと話したらぜひりのちゃんい会いたいっていうから連れてきちゃった~」




なるほど、うららちゃんが話したんだ、私のこと。

そうだよね、魔王(シスコン)の妹であるうららちゃんなら、魔王の親友(?)の宮前龍太郎とも当然知り合いだよね。





「ねえりのちんもコッチ来て喋ろ~」




チャラ男モードに変貌した宮前龍太郎が軽い笑顔で私を呼ぶけど、「いや夕飯の準備があるんで…」と躱しキッチンのシンクに買ってきたスーパーの材料を置く。




「夕飯って
暁、りのちんにそんなことさせてんの?ひっでー」



「いいんだよ。こいつは俺の召使いなんだから。な?」





妙にすわった目で私に圧をかけてくる魔王に「はい…」と引きつった笑顔で頷いた。





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