【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜


「あら、加古川先生?」

「あ、小山内」

「今日先生お休みでしたよね?どうされたんですか?」

 えっと、誰だろう……?看護師さんということだけは、分かるのだけど……。

「202の松本さんについて、ちょっと気になることがあってな」

「あ、昨日急患で運ばれた患者さんですよね?加古川先生が対応した」

「ああ。……小山内、あの患者の夫、注意した方がいい」

 凜人さんは着ていた白衣のポケットに手を入れて、そう言っていた。

「え?旦那さん……ですか?」

「ああ。あの夫、危険かもしれない」

「え?あの、それはどういう……」

「行くぞ、美乃梨」

 小山内さんという人の言葉を遮って、凜人さんはそう言ってわたしの腕を引っ張った。

「いいんですか?凜人さん……」

「いい。待たせて済まない。行こう」

「……あ、はい」

 病院の外に出たわたしたちは、凜人さんの車に乗り込んで、シートベルトを締めた。

「美乃梨。お前はもう、絶対に身を投げ出したりするな。……お前の命は一つしかないんだ。その命、絶対にムダにするな」

「……はい」
< 77 / 184 >

この作品をシェア

pagetop