【完結】この愛だけは決して揺るがない〜永遠の愛誓います〜
「あら、加古川先生?」
「あ、小山内」
「今日先生お休みでしたよね?どうされたんですか?」
えっと、誰だろう……?看護師さんということだけは、分かるのだけど……。
「202の松本さんについて、ちょっと気になることがあってな」
「あ、昨日急患で運ばれた患者さんですよね?加古川先生が対応した」
「ああ。……小山内、あの患者の夫、注意した方がいい」
凜人さんは着ていた白衣のポケットに手を入れて、そう言っていた。
「え?旦那さん……ですか?」
「ああ。あの夫、危険かもしれない」
「え?あの、それはどういう……」
「行くぞ、美乃梨」
小山内さんという人の言葉を遮って、凜人さんはそう言ってわたしの腕を引っ張った。
「いいんですか?凜人さん……」
「いい。待たせて済まない。行こう」
「……あ、はい」
病院の外に出たわたしたちは、凜人さんの車に乗り込んで、シートベルトを締めた。
「美乃梨。お前はもう、絶対に身を投げ出したりするな。……お前の命は一つしかないんだ。その命、絶対にムダにするな」
「……はい」