やっぱり幼馴染がいいと彼氏に振られたら、彼のライバルと恋人の振りをする事になりました
身辺整理を少しずつしていても、愛莉は気づかない。熱心に睨みつけているスマホをちらりと覗き見てみれば、成る程確かに婚活中らしい。
 
(俺は本当にただの同居人なんだな)

 身体を重ねる事だって愛莉には友情があれば応じられる程度の、手を繋ぐ事の延長のようなものなのかもしれない。
 気持ちの整理がまだつかない頃は、そんな事でも度々落ち込んでいた。
 
 それから愛莉の我儘に爆発して、家を飛び出して……

 親に相談して一人で住むところを見つけた。
 勿論うちの親だって相当動揺していた。けど、

「もう愛莉とはやっていけない」と言えば、何かしら察するところがあったらしい。
 そう言えば母は、確かに愛莉を可愛がっていたが、同棲には少し抵抗があるようだったから。
 ……女の勘、というやつだろうか……
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