【完】夢見るマリアージュ
それでもなりたい。 誰かの特別な人になって、お嫁さんというものになってみたい。
色とりどりのウェディングドレスは、私にとっては幸せの象徴そのものだ。
クリックして次のページに飛ぶと思わずうっとりとしたため息が零れる。
やっぱりウェディングドレスの定番は白だ。 カラードレスも可愛いけれど将来の夢がお嫁さんの私にとって純白のウェディングドレスは何よりも憧れだ。
オルガンが流れるチャペルの中でベールを被り、父の腕を掴みバージンロードを歩く……そこまで妄想して思考は停止してしまう。
そもそも父が私の挙式に参列する事自体ありえない。 静かにサイトを閉じパソコンの電源を落とすと、静まり返ったオフィス内に機械音だけがこだました。
…虚しい。
夢を見るのは自由だしタダだ。 だからこそ現実と夢のギャップに一度出たため息は止まらない。
その日もいつも通り持ち帰りの仕事の資料を鞄の中にしまい、社員カードを切ってエレベーターに乗りオフィスビルを出ようとしたその時だった。