【完】夢見るマリアージュ
トイレに来てみたはいいものの、飲み会へ戻りたくない。
北斗さんと青柳さんはお似合いすぎて、見るのも辛くなってしまうし
わざと避けるような事ばかりして、気まずすぎる。 こうやって人と向き合う事から逃げて、母の言葉を守って
一体何をやっているのだろう。 自分が情けなさ過ぎて、じんわりと涙が浮かんだ。
その時だった。
「城田さん?大丈夫?」
「あ、大丈夫です。 少し酔っぱらっちゃって」
「マジで?さっき岸田さんに言ったら城田さんトイレ行ったって言ってて。
もしかしたら具合い悪いかなーって思って」
そこにやって来たのは、この飲み会に誘ってくれた木島さんだった。
大丈夫です、と言ったけれど、彼は私の隣、壁に寄りかかってしまう。 男の人とこういうシチュエーション自体余りないから思わず固まってしまう。
全然具合いは悪くない。 お酒も強い方なので酔っぱらっても居ない。ただただ北斗さんの件で落ち込んでいただけだ。