【完】夢見るマリアージュ
「でもさー、今日城田さんが来てくれて本当に良かった。」
「え?」
「いや、俺さ…城田さんとゆっくり話してみたいって思ってたんだよ。
会社だとついつい仕事の話ばかりになってしまうからね。
でも意外。城田さんって結構お酒飲むんだね」
木島さんには嫌な印象はなかった。 入社当時はさっぱりと話した事はなかったが、最近よく話すようになった。
爽やかで、嫌味のない人だ。
今だってこうやって私の体調を気遣ってくれているのだ。
そう考えると、ますます申し訳ない。
「や。本当に。私は大丈夫ですよ。お酒は強いんです。
ちょっと落ち込む事があっただけなので」
「落ち込む事?俺でよければ相談に乗るよ」
「自分の事なので大丈夫です。 …それにそろそろ帰ろうかなあと思っていた所なので
木島さんは私に気を遣う事はないですから
どうか飲み会の場に戻って下さい。木島さんがいないと盛り上がらないと思うので…」