【完】夢見るマリアージュ

「ほ、北斗さん…シーツが…」

申し訳ない気持ちでいっぱいなのはこちらの方だったが、北斗さんはその血を見てびっくりしてまた肩を落としてしまう。

「目も心配だけど、体も心配。 俺って駄目だなあ…」

「北斗さん!本当にお気遣いしなくとも私の体は丈夫に出来ています…!
昨日も見て分かった通り、背は小さいくせに体格は北斗さん顔負けな程良い方です。
シーツ汚してしまって本当にごめんなさい…!コンタクトを外すついでにシーツも洗濯させて下さい!」

「いいよ、いいよ。そんな無理をしないで!」

「いえ、私の気が収まらないんですッ……。
では失礼します!」

無理やりベッドからシーツを取ると、そのまま洗面所へと向かう。
北斗さんも後ろからぴったりとくっついてきて、心配そうな眼差しを向ける。

うわあー…本当に申し訳ない事をした…。 シーツ洗うだけで良かったんだろうか。 これは買い直した方がいいのではないだろうか。

北斗さんの使っている物に私の汚い血がついているなんて、申し訳なさすぎる…。
そう思いながらコンタクトを外し、シーツを洗濯機に入れ回す。

洗濯機の動く音を聴きながら、コンタクトを外し眼鏡姿になった自分の顔を鏡で見ると更に憂鬱な気持ちになる。

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