【完】夢見るマリアージュ

「すごく不細工だ…」

寝起きでも美しい北斗さんの姿を見てしまったからだろうか。 さえない自分の顔がいたたまれない。

大体昨夜まだまだ豚のような私の体を抱いて、北斗さんは幻滅をしなかっただろうか…。

やっぱり気持ち悪い無理ってなっても優しい北斗さんの事だ。絶対に気を遣ってしまうに違いない…。

肩を落としリビングへ戻ると、北斗さんはキッチンに立っている。 足元ではリリーがいたが私の気配を察すると素早くテレビ台の後ろに隠れてしまった。


リリーもごめんなさい。 ご主人様がまさかこんなさえない女を連れて来るとは思わなかっただろう。

そう考えると全世界の人々に土下座をして回って歩きたい気持ちでいっぱいになる。 私ってなんてネガティブなんだろう。

「城田さん、大丈夫? 今朝ご飯作ってるから、ソファーで休んでいてよ」

「北斗さん、朝ごはんならば私が…!」

慌ててキッチンに向かうと、キッチンの四隅に足の小指を強打し、声も出せずにその場に蹲る。
私って、ほんと……

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