【完】夢見るマリアージュ
北斗さんの用意してくれた朝食を二人で食べても、夢のようだった昨日の出来事がまだ信じられずにいた。
「昨日はありがとう。」
「え?」
「色々と…本当にありがとうだし、嬉しかったし幸せだった。」
にこりと顔を上げた北斗さんの穏やかな笑顔に、また胸がキュンキュンと甘い音を立てる。
「私の方こそ…すごく幸せでした。 まさか北斗さんのご実家に行って、マンションにまでお邪魔しちゃうなんて
今冷静になって考えてみればかなり図々しかったかなと思うのですが」
「何でだよー。俺が城田さんの事誘ったんじゃん。俺にとって城田さんと一緒に居る時間はすっごく楽しくて早く過ぎちゃうんだ。
今日が土曜日でゆっくり出来るのがすごく嬉しい」
「北斗さん…」
北斗さんの言葉に思わず涙が出そうになる。
美しい容姿に引けを取らない美しい心を持っている優しい人だ。
未だにこんな人が私の彼氏なんて…。
「それに両親もすごく城田さんの事が気に入ったみたいで良かった。 俺絶対お母さんと城田さんは気が合うだろうなあって思ったんだ」