【完】夢見るマリアージュ
「えへへ。 あのさあ、香ちゃんって呼んでもいい?」
その言い方が余りにも可愛くって、その場で倒れてしまうかと思った。
北斗さんに触れられている肩がくすぐったい。
「勿論ですよッ!私の事なんて呼び捨てでもなんでもお好きに呼んでください!」
「香ちゃん~。あはは、なんか照れくさいなあ。でもずっと名前で呼びたいなあって思ってたんだ。
香ちゃんも俺の事全然呼び捨てで構わないんだからね」
「いえ、北斗さんを呼び捨てで呼ぶなど私のような物が恐れ多いですッ。
それに北斗さんの方が落ち着くので」
肩から頭を上げた北斗さんが、チュッと頬にキスをする。
昨夜は勢いでそれ以上の事をしてきたのだが、やっぱり恥ずかしい。 真っ赤になりその場で顔を伏せると、北斗さんの大きな手が私の頭を包み込む。
良い匂いがするし、すごく落ち着いて幸せだ。
「ねぇ、香ちゃんのご両親ってどんな人?」
けれど直ぐに北斗さんの言葉に現実に戻される。