【完】夢見るマリアージュ
「…いや、だって…北斗さんと城田さんじゃあ全然釣り合いが取れていないっていうか…
北斗さんレベルの人が…正直あんなさえないタイプの女性を選ぶとは私には思えないから。
って、あの噂デマですよね?」
釣り合いが取れていないだとか、レベルがどうとか実にどうでも良い話だ。
けれど青柳さんの口から飛び出した、さえないタイプというのは聞き捨てならなかった。
「別に君には関係のない事だから」
冷たくそう言い放つと、青柳さんはムッとしたような表情になる。
その場を去ろうとすると、腕を強く掴まれた。 振り向くと眉間に皺を寄せた彼女がこちらを睨んでいる。
「まさか、あの噂が本当ってわけないですよね?
私の事振っておいて城田さんみたいな子と付き合うとか納得出来ないんですけど?」
掴まれた腕を静かに振り払うと、更に彼女は顔を歪めた。
「俺が誰と付き合おうと君には関係ないって言っているんだ。
…それに、城田さんみたいな子ってどういう意味?
彼女は君とは違って陰で人を侮蔑するような言い方はしない子だ」