【完】夢見るマリアージュ
『疲れた時は甘い物です。北斗さんの好きなケーキを作って明日持っていきます』
携帯をぎゅっと握りしめ、自然ににやけてしまう。
「ほっくん、楽しそうだなー。残業だっていうのにー…」
「あ、ああ、まあな」
一緒に残業をしていた海がディスク越しこちらを覗きこむ。 ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
「ほっくんがこんなに幸せそうにしているの初めてみたかもしれななあー」
「そ、そっかな。でも本当に香ちゃんって可愛いんだ。 真っ白でそれでふよふよしてて、直ぐに顔が赤くなって抱きしめたくなっちゃう…」
「ほっくんの惚気を訊く日が来るとはね…。
レナちゃんもすごく喜んでた。 イベントで会ったんだって? 北斗にはお似合いの彼女だったって言ってた!!!
ねーねー、今度四人でご飯でも食べに行こうよ。 仕事が落ち着いたらさ」
「それもいいかもな」
改めて、海とレナには香ちゃんを会わせたかった。
きっと香ちゃんの事だから緊張してカチンコチンになってしまうのだろう。そんな姿を想像すると、また自然に顔が二ヤついてきた。
そんなん絶対可愛すぎるって!キーボードを叩きながらも、笑みが止まらない。 そんな俺を見て海は不審そうな顔をする。