【完】夢見るマリアージュ
くすくすと笑うと岸田さんは少しだけ怒っていた。
今までは誰かと関わり合う事を怖いと思っていた。 私はきもくてやばい存在だから、こんな私と一緒に居ると周りから何か言われるのが迷惑だと思っていたんだ。
自分にとって見たら雲の上のような存在の人達。
話してみなければ分からない事だらけ。 呑気にもこの時は青柳さんとお友達になれるかもしれない、と少しだけ浮かれていた自分が居た。
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「リリーちゃん、ご飯だよー?」
近頃北斗さんはとても忙しい。
12月は年度末決算もあるし、阿久津フーズファクトリーのイベントも開かれるので毎日残業で、休日出勤もざらだ。
しかしそんな忙しくても愚痴の一つも吐かない北斗さんは人間が出来ていると思う。
平日の水曜日。私は彼から合鍵を貰い、彼のマンションに着ていた。
本当に合鍵なんて貰ってしまっていいのか、と思ったけれどリリーのお世話をお願いしたいと言われたので受け取った。
その合鍵は私にとって宝物になっていた。