【完】夢見るマリアージュ
「おかえりなさい」
「ただいま。 えへへ、いいね。こういうの」
玄関まで迎えに行くと、北斗さんは照れくさそうに笑う。
「新婚さんみたい」 次に北斗さんが言った発言に思わず言葉を失う。
かあーっと頭のてっぺんから熱くなってしまう。’新婚’というワードはそれほどまでに破壊力がある。
「毎日遅くまでお疲れ様です」
顔を上げてそう言ったら、北斗さんは玄関前でぎゅーっと私を抱きしめた。
だから…!心臓が爆発しそうなのですが…。
相変わらず彼を前に真っ赤になったり硬直しっぱなしの私に対し、にこりと微笑みを作って頭を優しく撫でる。
「疲れたけど、香ちゃんの顔を見たら一気に元気になっていった。
何かいい匂いする~~」
「あ、夕ご飯を作っておいたのです。 あんまり美味しくないかもしれないですが…」
「マジで?超嬉しい。絶対美味しいじゃん。めっちゃ腹減ってるから~
着替えてご飯にしよう~」