【完】夢見るマリアージュ

「とはいってもレナの父親がノリノリでさ。最初は反対してたんだけど、今は大賛成って感じで」

「あんな美しい人の心を掴む男性がどんな方か気になりますね」

そこまで言うと、北斗さんは得意げな顔になって「誰だと思う?」とニヤリと笑った。

「全然見当もつきませんが」

「うちの社長室にいる相馬海って奴なんだけど」

「北斗さんと仲が良い相馬さんですか?
あのかっこいい方ですよね?うちの部署の女性社員にも彼のファンは多い様な…」

社長室に勤める相馬さんは、私が入る前は営業に居たらしい。

北斗さんと仲が良い事で有名な、爽やかで優し気な男性だった。  レナさんと並ぶ姿を想像すると、とてもお似合いだ。

「海はかっこいいよなあー。俺と違って器用で周りからも好かれるし」

「いえ、私は北斗さんの方が素敵だと思いますけど!!!」

強くそう言うと、彼は照れくさそうに頭を掻いた。

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