【完】夢見るマリアージュ
大好きな人のお嫁さんになる事。
素敵なウェディングドレスを着て、結婚式を挙げる事。
北斗さんに出会うまではそんな夢叶うはずないと諦めていた。
諦めている方が、楽だった。 夢は願えば願う程時に残酷な物だから。
けれどあなたの優しさはつきる事がなく、私の夢を叶え続けてくれる。
ウェディング情報誌を開き、ソファーで肩を寄せ合うととても安心した気持ちでいっぱいになる。
北斗さんの肩に頭を乗せ、二人で一つの雑誌をパラパラと捲る。
「カラードレスなら香ちゃんは絶対淡いピンクがいいと思う」
「ええー?でもピンクは膨張しちゃう…」
「絶対絶対可愛いもん。 でも黄色や水色も捨てがたい…。 どうしよう、香ちゃんお色直し10回くらい出来ないかな?!」
真剣な顔をしてこちらを見つめる北斗さんに、思わず吹き出してしまう。
「やだ…北斗さん。そんなにお色直ししたらお色直しだけで挙式が終わっちゃう…。」
「でもなあ、選びきれないんだよなあ…。 はぁー…結婚式が一回きりなんてもったいないよ…。
香ちゃんとだったら何回でも挙げたいものだなあ。その度に香ちゃんのウェディングドレス姿が見れるんだから…」
ドレスを選ぶ北斗さんは何故か私よりも嬉しそうで、その優しさに触れる度に心が温かくなるんだ。