【完】夢見るマリアージュ
「実は……結構お酒の味って好きなんですよね。 飲み会とかでは絶対に飲みませんけどッ…。もし酔っぱらって失態を見せたら嫌だし…」
「アハハ、真面目な城田さんらしいなー。 じゃあ相当お酒も強いと見た。」
「う………多分強い方なのかもしれません。 いくら飲んでも顔色ちっとも変わらないし…
家で一人で晩酌する事もたまにはあるんですよね。」
「じゃあ、飲もう。 パフェとお酒ってのもいいよ。 城田さんが飲める人で良かった~
これで飲み友達が出来そう。 最近仲の良かった友達が事情あってあんまり一緒に飲んでくれなくなっちゃって。
パフェはどれにする?」
北斗さんが私と友達認定?! 本当にいいのかな?と思いつつもパフェのメニューに目を落とす。
お洒落で都会的で、ネットや雑誌で見るような美味しそうなスイーツがメニューには並んでいた。
「うー…迷います。 やっぱり苺は定番ですよね。 でもパフェだったらチョコも捨てがたいし。
う~~~ん……」
ここでも優柔不断を発揮してしまった。中々メニューを決められない私を前にしても北斗さんは穏やかな表情のままでいてくれた。
とろくてのろま。 それはいつだって周囲の人を苛つかせた。 けれどあなたは何故、そんなに優しい瞳をしてくれるのだろうか。