【完】夢見るマリアージュ

「トレーナーって男?」

「はい…! とっても親切な方で、私と同い年の男性だから心配してたんですけど優しい人で安心しましたー」

「ふーん」

少しだけイラっとしてしまった。
同い年の男か…。 城田さんと同い年というと、22、3歳か。 そりゃあ若い。

胸がモヤモヤとする。 これはさっきも感じたものだ。 城田さんが営業部の男性と話していた時に感じていたのと、似ている…。

「俺もジム行こっかな…」

「ええー…?!でも北斗さんはジムなんて必要ないんじゃあ……」

「いやいや、30過ぎてからビール腹が酷くなってきてさあ」

「そんなの嘘ですよ…。ふふ、北斗さんがビール腹なんて、想像もつかない!」

「じゃあ、見てみる?」

ゴホッと飲んでいるハイボールを吹き出して、城田さんは顔を真っ赤にさせる。
照れて笑うとふにゃあとなるどこか頼りない笑顔。
可愛いなって思ってしまったんだ。

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