【完】夢見るマリアージュ

ぱっちりとした二重じゃあないけれど、真っ黒の瞳はどこか印象に残る。

不意に真剣な顔になって、城田さんはこちらを見上げた。 その顔を見て、また心臓が飛び跳ねるように速く動く。

「あ、北斗さんはもしかしたら迷惑かもしれないんですけど…
金曜日をこんな私と過ごすなんて…」

肩までになった黒髪は柔らかくサラサラだ。 触れたいと思ったら、頭に手を置いていた。

「全然迷惑じゃない。 俺城田さんと一緒に居るの楽しいし
それにこんな私、なんて言わない。」

そう言うと、城田さんは真っ赤になって顔を伏せながらこくんと小さく頷いた。

どうしよう。そんな顔をされたらこっちの方が恥ずかしくなってくる。 話題を変えるように違う話を振った。

「そういえば、来週の土曜日にチョコレートフェアがあるって」

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