【完】夢見るマリアージュ
堀田部長からも気にられていて、仕事も出来る。 性格はちょっぴりきつめ。
何より岸田さんは入社当初から私が気に食わないらしい。その一因にK大卒という私の肩書きがある。
就職して驚いたのは大人になってもヒエラルキーが存在した事である。 学生生活でも勿論スクールカーストなるものがあった。
岸田さんは学生時代からヒエラルキーの上層部にいるようなタイプの人間で、私は言うまでもなく最下層の人間である。
「おつかれー。」
「おつかれさまでーす」
結局岸田さんに頼まれた資料は就業時間までには間に合わなかった。
これはもう、家まで持ち帰りになるなあと誰も居なくなったオフィスでパソコンのディスクと向き合う。
残業はそんなに嫌いじゃない。 仕事自体は全然慣れなくって好きにはなれないけれど、誰も居なくシンと静まり返ったオフィスは落ち着く。
日陰のような存在の自分は誰も居なくなったオフィスでやっと安堵の息が漏れる。
「それにしても冴えない顔……」
パソコン越しにうっすらと自分の顔が反射されると、毎日見ている顔でもうんざりしてしまう。
堀田部長や岸田さん。そして周囲の社員が顔をしかめるのも頷ける。