【完】夢見るマリアージュ

問題はぽっちゃりとした体型だけではないと思う。  肌が白く無駄に丈夫でニキビや吹き出物などの肌トラブルがないのだけが唯一の取り柄だ。

唇はどちらかといえば厚く口角がいつも下がっている。 鼻もどちらかといえば丸く団子鼻だ。 そして分厚い牛乳瓶底眼鏡の奥に隠されている瞳は、何の変哲もない奥二重。
特別ぱっちりと大きい目でも綺麗な二重でもない。

仕事の時は一本に後ろで縛っているが、真っ黒で長い髪の毛も不気味だと言われる要因の一つだろう。

だが切ろうと思った事はない。 普段長い髪で顔を覆っていれば、自分の存在さえも隠してくれる気がするからだ。

「んぅ~……」

八割まで仕事を終えた後天井に向かって大きく伸びをする。
時刻は21時を過ぎた所。 そろそろ帰らなくてはいけないだろう。


一旦仕事の画面を切り替えて、マウスを動かしインターネットサイトにアクセスをする。

それは華やかなウェディングドレスが表示されるサイトだった。 世の中にはこんなにも多種多様なドレスがあるものなのだと、毎日眺めていても感心する。

< 9 / 253 >

この作品をシェア

pagetop