【完】夢見るマリアージュ
「いえ!岸田さんが悪いわけじゃなくって……
これは、私の心の問題なんです…
本当は私自分が大嫌いでしょうがなかった。けれど変わろうともせずに一人で拗ねて」
頭を抱えていると、岸田さんはくすりと小さく笑う。
「でも今は違うじゃない。 少なくともあなたは変わろうとしていて
私に色々と教えて欲しくて今日誘ったんでしょう?
変わりたいと気持ちを持ち始めた時点で、もうあなたは変わっているのよ。」
「……やっぱり、岸田さんは優しい人です。」
「だーッ!だからそれを止めろって言ってんのよッッ。それよりデザート!デザートを頼むのよ!!
すいませーん!注文お願いしまーす。」
変わりたいと気持ちを持ち始めた時点で、私はもう変わっている…??
今まで色々な事を諦めていた。 自分には相応しくないって、母の言葉を頭の中で繰り返してきて
分相応の道を歩んで、母の言う通り男性には頼らずに自分の力で生きて行くって…。
欲しい物があったのに、諦めていた。
「うん、すっごく美味しいですね。 こんなに味がしっかりしてて糖質を60パーセントカット出来るなんて夢みたい」
「でしょー???どーしても美味しい物が食べたくなったらここにくるの。
ん~、おいひーーー。」