【完】夢見るマリアージュ

俺は行動力がない。頭で悶々とするばかりだ。

学生時代からどうしてもと押し切られて女性と数人付き合った事はあったが…自分からだとどうも慎重になりすぎてしまう。

だから幼馴染のルナに想いも告げられずに何十年も自分の気持ちを温めすぎた。
だから今度自分が良いなって思う女性にはすぐに告白しようと決めていたんだ。

「でもなあー……」

頭を抱えて、その場にしゃがみこむと不思議そうにリリーがこちらを覗きこむ。

「どう思う?リリー。 近頃城田さんすっごく綺麗になっちゃったし…
もしかしたら恋でもしてるんじゃないだろうか…
そこに俺が割り込んで行ったら、それこそ迷惑だよな。」

どこまでいってもネガティブだ。 考えすぎて行動に移せないのは悪い癖だ。
だからこそ、今度恋をしたら頑張ろうって決めたのに。 そしてこの機会はまたとないチャンスだ。

同じような空気感を持ち、一緒に居ると気持ちの安らぐ人。 そんな人にはまたいつ出会えるか分からない。

あの時のような……何も出来ずにルナの幸せを願うような後悔はしたくない。

< 94 / 253 >

この作品をシェア

pagetop