【完】夢見るマリアージュ
休日に彼女に会うのは初めてだった。いつも仕事帰りのスーツ姿の彼女しか見たことがなかった。
初めて見る私服は女の子らしくて可愛い。ピンクもよく似合う。 寧ろ城田さんは黒や紺よりも明るい色の方が似合うのだ。
メイクもいつもより明るい気がして、思わず褒めてしまった。
…これってちゃらすぎるだろうか。
ああ、女性心難しすぎる。 きっと海ならば上手い事やるんだろうけれど、俺はなんせ女性の事となると不器用だから。
はぁーっと頭を悩ませながら車のハンドルを切ると、窓際を向いていた城田さんが小さな声で言った。
「褒めてくれてありがとうございます……。
実はこの洋服は今日の為に買ってきたんです。」
キュッと胸が締め付けられるような想い。 それって俺の為にお洒落をしてきたのかな?そう思ったら、サラサラの髪から見える綺麗な項も愛おしくなってしまう。
なんか、また城田さん痩せた気がする。
俺はぽっちゃりの城田さんも好きだからそのまんまでも良いんだけど、これ以上綺麗になってしまったら誰かに取られてしまうそうで不安だ。
いやいや、元々俺の物じゃあないんだけど!!!