ふたつ名の令嬢と龍の託宣
そう言った王子の口元も、笑いをこらえるかのように歪んでいるのを、リーゼロッテは見逃さなかった。肩をふるふると震わせ、口元に手を当てて、ふすりと息が漏れるのを必死にこらえている。
「ひどい」
涙目になって思わずぽつりと漏らしてしまう。それをとがめるでもなくハインリヒ王子はリーゼロッテに続けて言った。
「ふ、大丈夫。その首に下げた石があれば、ぷっ、小鬼はそうそう、はっ、寄ってはこられないからっ」
途中途中に、変な息をはさむハインリヒに、そんなにおかしいなら遠慮なく笑えばいいのにと、恨みがましく思ったリーゼロッテだった。
ひとしきり笑った後、カイと呼ばれた灰色の髪の少年が口を開いた。
「その守り石はジークヴァルト様のですよねー。さすがだなー、オレ、こんなにキレーに力込められないですもん」
リーゼロッテの胸元のペンダントをのぞき込むようにまじまじと見る。
「とにかく、守り石は肌身離さず身に着けておいた方がよさそうだな」
「いや、これは、オレが子供の時に作ったできそこないだ。ないよりはましだろうが」
ハインリヒの言葉にジークヴァルトが即座に返した。
「ひどい」
涙目になって思わずぽつりと漏らしてしまう。それをとがめるでもなくハインリヒ王子はリーゼロッテに続けて言った。
「ふ、大丈夫。その首に下げた石があれば、ぷっ、小鬼はそうそう、はっ、寄ってはこられないからっ」
途中途中に、変な息をはさむハインリヒに、そんなにおかしいなら遠慮なく笑えばいいのにと、恨みがましく思ったリーゼロッテだった。
ひとしきり笑った後、カイと呼ばれた灰色の髪の少年が口を開いた。
「その守り石はジークヴァルト様のですよねー。さすがだなー、オレ、こんなにキレーに力込められないですもん」
リーゼロッテの胸元のペンダントをのぞき込むようにまじまじと見る。
「とにかく、守り石は肌身離さず身に着けておいた方がよさそうだな」
「いや、これは、オレが子供の時に作ったできそこないだ。ないよりはましだろうが」
ハインリヒの言葉にジークヴァルトが即座に返した。