ふたつ名の令嬢と龍の託宣
 リーゼロッテはようやく、令嬢の最後尾につく。先に着いた令嬢とその母親の王妃様への熱烈なアピールが続いているため、ゆっくり歩いてきたリーゼロッテでも余裕で並ぶことができた。

 挨拶し終わった令嬢は、その母親と共に円卓の席へといざなわれていたが、ひとりあたりのアピールタイムが長く、並んでからしばらくたっても、リーゼロッテの順番はまだまだ来そうにない。

(こんなことなら、焦らなくてもよかったかも)

 ふう、とまわりに気づかれない程度にリーゼロッテはため息をついた。

(ああ……からだが重くなってきたわ)

 日常でも感じる疲労感が、いつも以上に早くリーゼロッテの体をじわじわと襲ってきている。慣れない馬車での移動に加え、コルセットで締め上げた窮屈なドレスと、普段よりかかとの高い靴が、よりいっそう体力を奪う。

 自分の部屋から出ることがほとんどないリーゼロッテに、残された体力と時間はあまりなさそうだ。

< 13 / 678 >

この作品をシェア

pagetop