ふたつ名の令嬢と龍の託宣
 王妃様に挨拶を済ませたら、体調不良を理由に、早いところお暇することを決めていた。いざとなったら気絶でも何でもして、強制送還をねらうしかない。お茶会程度で気絶する令嬢など、未来の王たる王太子殿下にふさわしくないと、すぐに解放されることだろう。

 気絶はあくまで最終手段だが、周りを巻き込まないためにも、うまく立ち回らなくてはならない。

 子供のころからお守りにしている、初恋の人からもらった青銅色のペンダントを、知らず握りしめる。徐々に重くなっている体を奮い立たせて、リーゼロッテはぐっと背筋をのばした。

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