ふたつ名の令嬢と龍の託宣
 リーゼロッテの呼びかけにジークヴァルトは、その動きを止めて「なんだ?」と返した。

「あの、この守り石とは何なのですか? 子供の頃に頂いたときも青く輝いていましたが、時間と共に青銅色になりましたわ」

 何とか気を逸らそうとそんなことを聞いてみる。夕べ一晩考えて、知りたいと思ったことではあるが、ひとりがけのソファに閉じ込められたこの状態を、リーゼロッテは何とか脱したかった。

「守り石とは、力ある者のみがその力を込めることができる特殊な鉱物だ。力が消費されれば元の色に戻る」

 そう言いながら、ジークヴァルトはリーゼロッテの胸元の石に顔を寄せてきた。

「あの、ジークヴァルト様っ」
 
あわてたリーゼロッテが、再びジークヴァルトの肩に手を置いた。

「なんだ?」
「ペンダントは外しますから、直接、近づくのはおやめいただきたいのです」
「なぜだ? 問題ない」

 そう言うとジークヴァルトは、あっさり石に唇を寄せた。

(なぜって、問題ありすぎです!!!)

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