ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「いえ、先日の王妃様のお茶会でご一緒させていただいたのです。ヤスミン様には、とても親切にしていただきましたわ」
淑女の微笑みを口元に乗せ、リーゼロッテはあの日のヤスミンを思い浮かべる。とても似ている父娘だと思った。
「ああ、なるほど。妖精姫と名高いダーミッシュ嬢とお会いできて、娘もさぞや喜んでいることでしょう」
「その呼び名は……とても、恥ずかしゅうございます……」
消え入りそうな声に、キュプカー隊長は豪快に笑った。
「ははは、ダーミッシュ嬢は本当に妖精のように愛らしい方だ。フーゲンベルク副隊長、くれぐれも職務を忘れるなよ」
そう釘をさすと、キュプカーは周囲にいた騎士たちを見やった。
「お前らも何サボっているんだ? キリキリ働かないと職務怠慢で会議にかけるぞ。その際は半年の減給か鍛錬か選ばせてやる」
大きくはないがよく通る声で周囲をひと睨みすると、騎士たちは慌てて解散していった。近衛一番隊の鍛錬は、それはそれは地獄のようであると、もはや伝説にすらなっていた。
「では、わたしもこれで」
一礼してから颯爽と廊下を去っていくキュプカー隊長を見送りながら、リーゼロッテがぽつりとつぶやいた。
「……かっこいい方ですわね」
(あれ、ジークフリート様といい……リーゼロッテってば実はオジ専?)
自分で自分に脳内突っ込みをいれていると、リーゼロッテの視界が急にかしいだ。
淑女の微笑みを口元に乗せ、リーゼロッテはあの日のヤスミンを思い浮かべる。とても似ている父娘だと思った。
「ああ、なるほど。妖精姫と名高いダーミッシュ嬢とお会いできて、娘もさぞや喜んでいることでしょう」
「その呼び名は……とても、恥ずかしゅうございます……」
消え入りそうな声に、キュプカー隊長は豪快に笑った。
「ははは、ダーミッシュ嬢は本当に妖精のように愛らしい方だ。フーゲンベルク副隊長、くれぐれも職務を忘れるなよ」
そう釘をさすと、キュプカーは周囲にいた騎士たちを見やった。
「お前らも何サボっているんだ? キリキリ働かないと職務怠慢で会議にかけるぞ。その際は半年の減給か鍛錬か選ばせてやる」
大きくはないがよく通る声で周囲をひと睨みすると、騎士たちは慌てて解散していった。近衛一番隊の鍛錬は、それはそれは地獄のようであると、もはや伝説にすらなっていた。
「では、わたしもこれで」
一礼してから颯爽と廊下を去っていくキュプカー隊長を見送りながら、リーゼロッテがぽつりとつぶやいた。
「……かっこいい方ですわね」
(あれ、ジークフリート様といい……リーゼロッテってば実はオジ専?)
自分で自分に脳内突っ込みをいれていると、リーゼロッテの視界が急にかしいだ。