ふたつ名の令嬢と龍の託宣
最後に会ったのはリーゼロッテが十歳の時だったろうか。一時帰国したクラッセン侯爵夫妻がアンネマリーと共に挨拶にやってきて、時間を忘れて二人でおしゃべりしたのを思い出した。あの時のアンネマリーは、リーゼロッテよりも背丈が小さく、体形だって同じような幼児体形だったはずだ。
(見違えるように綺麗になってて、アンネマリーだと気づかなかったわ)
目の前にいるアンネマリーの曲線のある女性らしい肢体を見やり、リーゼロッテはこの世の不公平さにやるせなさを感じた。
「トビアス伯父様も、ジルケ伯母様も、国にお戻りになられたの?」
気を取り直して、リーゼロッテはアンネマリーに話しかけた。
「お父様はまだあちらにいらっしゃるけれど、お母様とわたくしは社交界デビューにそなえて、先に国にもどってきたのよ。このお茶会にはわたくしだけで来たのだけれど」
健康そうな顔をほころばせて、アンネマリーはリーゼロッテの手を両手で握りしめた。
(見違えるように綺麗になってて、アンネマリーだと気づかなかったわ)
目の前にいるアンネマリーの曲線のある女性らしい肢体を見やり、リーゼロッテはこの世の不公平さにやるせなさを感じた。
「トビアス伯父様も、ジルケ伯母様も、国にお戻りになられたの?」
気を取り直して、リーゼロッテはアンネマリーに話しかけた。
「お父様はまだあちらにいらっしゃるけれど、お母様とわたくしは社交界デビューにそなえて、先に国にもどってきたのよ。このお茶会にはわたくしだけで来たのだけれど」
健康そうな顔をほころばせて、アンネマリーはリーゼロッテの手を両手で握りしめた。