ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「目詰まりだな」
ジークヴァルトのその言葉に、ハインリヒが「もっとわかるように話せ」と嘆息した。
この目詰まり発言は、ジークヴァルトからずっと言われ続けている。リーゼロッテは排水溝のように言われて、いたく傷ついていた。
「ダーミッシュ嬢の力は、内部で秩序なく対流している。この半月、流れを確認しているが、力が行き場をなくしてそのうち破裂しそうにも感じる。ある程度たまれば漏れ出てくるかとみているが、今のところその様子もない」
と、この状態をジークヴァルトは『力の目詰まり』と呼んでいる。
(だったらド〇ストでもパイプ〇ニッシュでも持ってきてよ)
毎日毎日目詰まってると言われるこちらの身にもなってほしいと、リーゼロッテは気づかれないようにため息をついた。
「……そうか、状況はわかった。だが、女性に対して目詰まりはよせ」
「そうですよー、デリカシーのない男は嫌われますよー」
「お前が言うな、カイ」
ハインリヒの突っ込みに、カイは「なんでですかー」と不服そうに返した。
「……わたくし、殿下が王太子であらせられて、我が国はこれからも安泰だと、今、改めて心からそう思いましたわ」
「非常識を前にすると、大概はまともに見えるものだよ」
リーゼロッテの言葉に、ハインリヒは微妙に遠い目をして答えた。
ジークヴァルトのその言葉に、ハインリヒが「もっとわかるように話せ」と嘆息した。
この目詰まり発言は、ジークヴァルトからずっと言われ続けている。リーゼロッテは排水溝のように言われて、いたく傷ついていた。
「ダーミッシュ嬢の力は、内部で秩序なく対流している。この半月、流れを確認しているが、力が行き場をなくしてそのうち破裂しそうにも感じる。ある程度たまれば漏れ出てくるかとみているが、今のところその様子もない」
と、この状態をジークヴァルトは『力の目詰まり』と呼んでいる。
(だったらド〇ストでもパイプ〇ニッシュでも持ってきてよ)
毎日毎日目詰まってると言われるこちらの身にもなってほしいと、リーゼロッテは気づかれないようにため息をついた。
「……そうか、状況はわかった。だが、女性に対して目詰まりはよせ」
「そうですよー、デリカシーのない男は嫌われますよー」
「お前が言うな、カイ」
ハインリヒの突っ込みに、カイは「なんでですかー」と不服そうに返した。
「……わたくし、殿下が王太子であらせられて、我が国はこれからも安泰だと、今、改めて心からそう思いましたわ」
「非常識を前にすると、大概はまともに見えるものだよ」
リーゼロッテの言葉に、ハインリヒは微妙に遠い目をして答えた。