ふたつ名の令嬢と龍の託宣
それに、リーゼロッテの問題ばかりにかかわってもいられない。ハインリヒ自身のこともあるし、最近、王城内で異形の数が増えてきていると報告があがっている。異形が視える者・視えない者にかかわらず、怪我をする者や体調を崩す者などが増加していた。
王城勤めをする者に配った守り石の消費が激しいのもそのためだった。それほど質のいい守り石ではないが、ジークヴァルトが力を込めたものだ。今までなら、渡して半年程度は問題なく使えていたのが、このところあっという間に力を消費してしまっていた。
異形を浄化できる人間は限られている。ハインリヒの護衛近衛隊の一部は、その能力に長けた者たちが所属しているのだが、そのほとんどが国の各地へと任務に赴いていた。その任務は異形の仕業と思わしき事件の調査など特殊なもので、すべて秘密裏に行われている。
カイも本来は特務隊のひとりだったが、ジークヴァルトの代わりの王太子の護衛として王城に留まっていた。他の人間も手の空いた者から城に呼び戻しているが、ここのところ人手が足りない状況が続いている。
そんなこんなで最近は、頭の痛いことばかりだ。ハインリヒは癖のように、手に待った懐中時計の蓋を開けたり閉めたりを繰り返した。
「さあ、ハインリヒさまー、お仕事の時間ですよー」
王城勤めをする者に配った守り石の消費が激しいのもそのためだった。それほど質のいい守り石ではないが、ジークヴァルトが力を込めたものだ。今までなら、渡して半年程度は問題なく使えていたのが、このところあっという間に力を消費してしまっていた。
異形を浄化できる人間は限られている。ハインリヒの護衛近衛隊の一部は、その能力に長けた者たちが所属しているのだが、そのほとんどが国の各地へと任務に赴いていた。その任務は異形の仕業と思わしき事件の調査など特殊なもので、すべて秘密裏に行われている。
カイも本来は特務隊のひとりだったが、ジークヴァルトの代わりの王太子の護衛として王城に留まっていた。他の人間も手の空いた者から城に呼び戻しているが、ここのところ人手が足りない状況が続いている。
そんなこんなで最近は、頭の痛いことばかりだ。ハインリヒは癖のように、手に待った懐中時計の蓋を開けたり閉めたりを繰り返した。
「さあ、ハインリヒさまー、お仕事の時間ですよー」