ふたつ名の令嬢と龍の託宣
ひとり残されたジークヴァルトは、横で浮かぶ守護者ののんきな顔をちらりと見やった。子供のころからずっとそこにいる存在だ。鬱陶しく思うこともあったが、今では会話することもない。
守護者と言っても、守られたことなど一度もなかった。例えそれが、自分が死にそうな場面であったとしても。
期待すべき相手ではないと、ジークヴァルトはいつものように意識からその存在を追いやる。
ここ最近毎日会っていた婚約者が、今そばにいない事実に、ジークヴァルトにはなぜが物足りなさを感じていた。
その感覚自体が謎に思えて、ジークヴァルトの視線は、しばし書類の文字を上滑りしていた。
守護者と言っても、守られたことなど一度もなかった。例えそれが、自分が死にそうな場面であったとしても。
期待すべき相手ではないと、ジークヴァルトはいつものように意識からその存在を追いやる。
ここ最近毎日会っていた婚約者が、今そばにいない事実に、ジークヴァルトにはなぜが物足りなさを感じていた。
その感覚自体が謎に思えて、ジークヴァルトの視線は、しばし書類の文字を上滑りしていた。