ふたつ名の令嬢と龍の託宣
     ◇
「アンネマリー、今日はわざわざありがとう。また会えてうれしいわ」

 リーゼロッテは王城の客間で、アンネマリーを迎え入れていた。お茶会の夜から、半月ぶりの再会であった。

「リーゼは休んでいなくて大丈夫なの? 体調を崩したときいたわ」
「ええ、問題ないわ。大事を取って今日一日休ませてもらったのだけれど、正直やることもなくて退屈していたの」

 にっこり微笑むリーゼロッテの顔は、お茶会の時よりも少し青白かった。

「食欲はある? ちゃんと眠れているの?」

 心配そうにのぞき込むアンネマリーに、リーゼロッテは明るく返した。

「大丈夫よ。お城の食事はおいしいし、ついつい食べ過ぎてしまうくらい」

 明らかに強がっているのがわかって、アンネマリーはリーゼロッテをぎゅっと抱きしめた。エラは何も言わなかったが、心配顔のまま後ろで控えている。

「それよりも、アンネマリーこそ困ったことはない? 王妃様から王女殿下の話し相手を務めるよう言われたと聞いたわ」
「ええ、わたしも急な話で驚いたのだけれど。ピッパ様はとても快活で素直な愛らしい王女殿下よ。王城にいて毎日楽しいわ」

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