ふたつ名の令嬢と龍の託宣
小さなランプの明かりだけつけて、リーゼロッテはしばらく廊下へ出る扉の前で考え込んだ。まあ、出歩かなければいいだろうと、かちゃりと鍵を開けてそっと扉を開けてみる。
キィっと扉が開く音がやけに大きく響く。夜の王城の廊下は暗く、しんと静まり返っていた。開けた扉から、部屋の中のわずかな光が一筋もれる。隙間から先をみやっても、誰かがいる様子はなかった。
開けた扉からそっと顔を出そうとした瞬間、リーゼロッテは大きな腕に体を抱え込まれた。
「こんな時間に何の真似だ」
「じ、ジークヴァルト様」
本当にいるとは思っていなかったせいか、心臓がはねて声が上ずった。
「何の真似だと聞いている」
怒っているような声音で問われたリーゼロッテは、慌てたように抱き込まれた腕の袖をつかんでジークヴァルトを見上げた。
「も、申し訳ございません。アンネマリーに、毎夜、ジークヴァルト様がこの部屋の前にいらっしゃると聞いて……」
「だからといって確かめる奴があるか」
キィっと扉が開く音がやけに大きく響く。夜の王城の廊下は暗く、しんと静まり返っていた。開けた扉から、部屋の中のわずかな光が一筋もれる。隙間から先をみやっても、誰かがいる様子はなかった。
開けた扉からそっと顔を出そうとした瞬間、リーゼロッテは大きな腕に体を抱え込まれた。
「こんな時間に何の真似だ」
「じ、ジークヴァルト様」
本当にいるとは思っていなかったせいか、心臓がはねて声が上ずった。
「何の真似だと聞いている」
怒っているような声音で問われたリーゼロッテは、慌てたように抱き込まれた腕の袖をつかんでジークヴァルトを見上げた。
「も、申し訳ございません。アンネマリーに、毎夜、ジークヴァルト様がこの部屋の前にいらっしゃると聞いて……」
「だからといって確かめる奴があるか」