ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「うは、ジークヴァルト様、女性に興味ないふりして攻めますね」

 見ていて飽きないふたりを前に、カイは王妃がこれを聞いたら悔しがりそうだと、そんなことを考えていた。が、時計を見ていきなり大きな声を上げる。

「ああー!! ハインリヒ様、そろそろ公務に出発しないとまずい時間ですよ! 今回は可愛い令嬢が集まる会ですからね。レディーたちを待たせるなんて言語道断です!」

 イヤそうな顔のハインリヒの背中を押して、そのままカイは扉に向かった。

「じゃ、リーゼロッテ嬢、がんばって」

 しゅたっと片手をあげて、カイはハインリヒと一緒に部屋を出て行ってしまった。

(何をがんばれと言うのですか、カイ様)

 ふたりを見送った後、リーゼロッテはジークヴァルトを振り返った。

「ダーミッシュ嬢。今からオレの前で眠るのと、泣かされるのと、どちらがいい?」

 無表情のジークヴァルトに突然聞かれる。

「な、何ですの、その二択は? ……わたくし、どちらもいやですわ」

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