ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「ジークヴァルト様、玉座の間はそちらでは……」
止めようとしたカイの視線が、ジークヴァルトが切り開いた廊下の先を向く。そこにはハインリヒ王子とキュプカー隊長、そしてなぜかアンネマリーがいた。とその時、アンネマリーの背後の異形が、うねるように動くのが目に入った。
ひとつひとつは大した力を持たない異形が、何か意思を持ったかのように一つに合わさり、渦を巻いて立ち上がる。天井高く上がった異形の先端は、そのまま下降しアンネマリーの背中を強く押し出した。
アンネマリーの体が傾き、倒れていこうとする先に、振り返ったハインリヒがいた。
「やばい」
カイは思うより早く、その場を駆け出した。
止めようとしたカイの視線が、ジークヴァルトが切り開いた廊下の先を向く。そこにはハインリヒ王子とキュプカー隊長、そしてなぜかアンネマリーがいた。とその時、アンネマリーの背後の異形が、うねるように動くのが目に入った。
ひとつひとつは大した力を持たない異形が、何か意思を持ったかのように一つに合わさり、渦を巻いて立ち上がる。天井高く上がった異形の先端は、そのまま下降しアンネマリーの背中を強く押し出した。
アンネマリーの体が傾き、倒れていこうとする先に、振り返ったハインリヒがいた。
「やばい」
カイは思うより早く、その場を駆け出した。