ふたつ名の令嬢と龍の託宣
◇
「城が騒がしいようね」
イジドーラ王妃は、離宮の自室の窓から王城を見下ろしていた。王妃の離宮は、王城と隣接しているが少し離れた場所にあった。
事前に王に言われ、娘である第三王女のピッパは第一王女の住む遠方の東宮へ行かせてある。そのほかの離宮仕えの者のほとんどに休暇を取らせていたため、離宮に残っているのは、王妃と古参の女官、数人の女性騎士くらいだった。
「イジィ」
愛称を呼ばれ振り向くと、そこにはくつろいだ格好のディートリヒ王が立っていた。ディートリヒは燃えるような見事な赤毛に金色の瞳をした美丈夫だ。
「まあ、王。この騒ぎを放っておいてよろしいのですか?」
「あれにまかせておけばよい」
手を引かれ、窓際から部屋の奥のソファへと導かれる。
「王はハインリヒに冷たすぎますわ」
ディートリヒにもたれかかりながらイジドーラは言った。
「城が騒がしいようね」
イジドーラ王妃は、離宮の自室の窓から王城を見下ろしていた。王妃の離宮は、王城と隣接しているが少し離れた場所にあった。
事前に王に言われ、娘である第三王女のピッパは第一王女の住む遠方の東宮へ行かせてある。そのほかの離宮仕えの者のほとんどに休暇を取らせていたため、離宮に残っているのは、王妃と古参の女官、数人の女性騎士くらいだった。
「イジィ」
愛称を呼ばれ振り向くと、そこにはくつろいだ格好のディートリヒ王が立っていた。ディートリヒは燃えるような見事な赤毛に金色の瞳をした美丈夫だ。
「まあ、王。この騒ぎを放っておいてよろしいのですか?」
「あれにまかせておけばよい」
手を引かれ、窓際から部屋の奥のソファへと導かれる。
「王はハインリヒに冷たすぎますわ」
ディートリヒにもたれかかりながらイジドーラは言った。