ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「うわぁぁぁぁぁぁぁおっとぉぉぉぉ」
スライディングするようにその間に割り込んできたのはカイだった。ハインリヒを突き飛ばし、アンネマリーをその胸に抱きとめた。
「あっぶねー。マジ危ねー、心臓止まるかと思った」
カイが心臓をバクバクさせながら、アンネマリーの背に回した腕に力を入れる。ぎゅっとカイに抱きしめられながら、アンネマリーは動揺したように言った。
「は、ハインリヒ様」
廊下の端から端まで突き飛ばされたハインリヒが、呆然とそこで尻もちをついている。
「怪我はない? アンネマリー嬢」
「……わたくしは大丈夫です……ですがハインリヒ様が」
のぞき込むようにカイに問われたアンネマリーはふるえる声で返した。目の前で王子が突き飛ばされたのだ。しかも、転びそうになった自分を助けるために。
「大丈夫。ハインリヒ様はすっごい静電気体質なの。触ったらバチっとなって、繊細なご令嬢にはめちゃくちゃ危険なんだ。もう心臓止まっちゃうレベルだよ。だから誰も被害に合わないよう気をつけるようにハインリヒ様にいつも言われてるんだ。ね! そうですよね、ハインリヒ様!」
カイのやけくそのようなその言葉にアンネマリーが目を見開く。真偽を確かめるようにハインリヒに顔を向けると、ハインリヒは青ざめた顔のままコクコクと頷いた。
スライディングするようにその間に割り込んできたのはカイだった。ハインリヒを突き飛ばし、アンネマリーをその胸に抱きとめた。
「あっぶねー。マジ危ねー、心臓止まるかと思った」
カイが心臓をバクバクさせながら、アンネマリーの背に回した腕に力を入れる。ぎゅっとカイに抱きしめられながら、アンネマリーは動揺したように言った。
「は、ハインリヒ様」
廊下の端から端まで突き飛ばされたハインリヒが、呆然とそこで尻もちをついている。
「怪我はない? アンネマリー嬢」
「……わたくしは大丈夫です……ですがハインリヒ様が」
のぞき込むようにカイに問われたアンネマリーはふるえる声で返した。目の前で王子が突き飛ばされたのだ。しかも、転びそうになった自分を助けるために。
「大丈夫。ハインリヒ様はすっごい静電気体質なの。触ったらバチっとなって、繊細なご令嬢にはめちゃくちゃ危険なんだ。もう心臓止まっちゃうレベルだよ。だから誰も被害に合わないよう気をつけるようにハインリヒ様にいつも言われてるんだ。ね! そうですよね、ハインリヒ様!」
カイのやけくそのようなその言葉にアンネマリーが目を見開く。真偽を確かめるようにハインリヒに顔を向けると、ハインリヒは青ざめた顔のままコクコクと頷いた。