ふたつ名の令嬢と龍の託宣
◇
エラの淹れた紅茶の香りが部屋に漂う。
ハインリヒとカイ、ジークヴァルト、それにリーゼロッテが、客間の応接室のソファに腰かけていた。アンネマリーには、エラと一緒にエラ用の部屋で待機してもらっている。
「明らかにリーゼロッテ嬢狙いだよね」
カイの言葉に「なぜわたくしが……」とリーゼロッテは身を震わせた。
先ほどの異形たちの叫びが、今も耳に残っている。今はジークヴァルトの結界のおかげか、遠くの方でざわめきが聞こえる程度になっていた。
「リーゼロッテ嬢はヴァルトの託宣の相手だ。しかし、狙われる理由はあるにしても、リーゼロッテ嬢に集中しすぎている」
「ジークヴァルト様の託宣の相手ですと、なぜ狙われるのですか?」
「ああ、フーゲンベルク家は降りる託宣の内容のせいで、代々異形に狙われやすいんだ。託宣を終えれば身の危険は去るのだが……」
ハインリヒの言葉に「託宣の内容?」とリーゼロッテは首をかしげた。しかし、ハインリヒは考えこんだ様子でそれ以上説明はしてくれなかった。
エラの淹れた紅茶の香りが部屋に漂う。
ハインリヒとカイ、ジークヴァルト、それにリーゼロッテが、客間の応接室のソファに腰かけていた。アンネマリーには、エラと一緒にエラ用の部屋で待機してもらっている。
「明らかにリーゼロッテ嬢狙いだよね」
カイの言葉に「なぜわたくしが……」とリーゼロッテは身を震わせた。
先ほどの異形たちの叫びが、今も耳に残っている。今はジークヴァルトの結界のおかげか、遠くの方でざわめきが聞こえる程度になっていた。
「リーゼロッテ嬢はヴァルトの託宣の相手だ。しかし、狙われる理由はあるにしても、リーゼロッテ嬢に集中しすぎている」
「ジークヴァルト様の託宣の相手ですと、なぜ狙われるのですか?」
「ああ、フーゲンベルク家は降りる託宣の内容のせいで、代々異形に狙われやすいんだ。託宣を終えれば身の危険は去るのだが……」
ハインリヒの言葉に「託宣の内容?」とリーゼロッテは首をかしげた。しかし、ハインリヒは考えこんだ様子でそれ以上説明はしてくれなかった。