ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「にしても、この状態をどう切り抜けるかですよねー。このまま籠城してても埒が明かないし」

 カイはいつもの軽い調子で言った。

 外回り組の救援を待つにしても、いつになるかはわからない。王城の機能が停止している影響もどう出るか、ハインリヒは正直考えたくもなかった。

「浄化しても浄化しても湧いて出てくるんだもんなー。ホント勘弁してほしいよ」

 ため息をついたカイが、至極真面目な顔で続けた。

「いっその事、リーゼロッテ嬢を囮にして、奴らを一網打尽にするっていうのはどうでしょう?」

 それを聞いたハインリヒが疲れた顔で「危険すぎる。許可はできない」と首を振った。

「とりあえず、一時間だけ救援を待とう。こちらの消耗もはげしい。回復する時間も必要だ」

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