ふたつ名の令嬢と龍の託宣
『この国も、もう終いかもしれんな。このままでは、じきに、嬢の娘子も……』
『…………』
『……わしもそろそろ潮時じゃな。楽しい時を過ごしすぎて、帰り時を逃してしもうた』
大公のその言葉を聞くと『じゃあお別れだ、大公』と言って、ジークハルトはふわりと浮き上がった。
『守護者殿も、引き際を見誤るでないぞ?』
『肝に命じるよ』
ジークハルトは肩をすくめてから、そのまま上を目指そうとした。
『ああ。リーゼロッテといったか。嬢の娘子に、ありがとうと伝えてくれまいか』
大公の言葉に頷いて『わかった、必ず伝えとく』と返すと、ジークハルトは再び上空へと登っていった。
それを見送った大公は、小脇に抱えた兜のベンテールをかしゃりと開けた。
『なんとも眩しくあたたかな光よ』
そこまで迫っている力に目を細め、大公は幸せそうに笑いながら緑の光にのまれていった。
『…………』
『……わしもそろそろ潮時じゃな。楽しい時を過ごしすぎて、帰り時を逃してしもうた』
大公のその言葉を聞くと『じゃあお別れだ、大公』と言って、ジークハルトはふわりと浮き上がった。
『守護者殿も、引き際を見誤るでないぞ?』
『肝に命じるよ』
ジークハルトは肩をすくめてから、そのまま上を目指そうとした。
『ああ。リーゼロッテといったか。嬢の娘子に、ありがとうと伝えてくれまいか』
大公の言葉に頷いて『わかった、必ず伝えとく』と返すと、ジークハルトは再び上空へと登っていった。
それを見送った大公は、小脇に抱えた兜のベンテールをかしゃりと開けた。
『なんとも眩しくあたたかな光よ』
そこまで迫っている力に目を細め、大公は幸せそうに笑いながら緑の光にのまれていった。