ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「マルグリット母様の? ……どういうことですか?」
『リーゼロッテとヴァルトの初顔合わせの時、ヴァルトのやらかしもあったし……。何よりマルグリットは自分の託宣の相手に苦労していたみたいだからね。十五歳になるまでは、リーゼロッテにジークヴァルトを近づけたくなかったんじゃないかなぁ』
「ヴァルト様のやらかし?」
ジークハルトの言葉にリーゼロッテはこてんと首をかしげた。
(黒いモヤのことかしら……? むしろやらかしたのは、ヴァルト様を見て泣き出したわたしの方なんじゃ……)
『あれ、リーゼロッテは覚えてないんだ? よかったね、なのかな? ね、ヴァルト』
意味ありげに笑うジークハルトに、眉間にしわを寄せてジークヴァルトは心から嫌そうな顔をした。
『リーゼロッテとヴァルトの初顔合わせの時、ヴァルトのやらかしもあったし……。何よりマルグリットは自分の託宣の相手に苦労していたみたいだからね。十五歳になるまでは、リーゼロッテにジークヴァルトを近づけたくなかったんじゃないかなぁ』
「ヴァルト様のやらかし?」
ジークハルトの言葉にリーゼロッテはこてんと首をかしげた。
(黒いモヤのことかしら……? むしろやらかしたのは、ヴァルト様を見て泣き出したわたしの方なんじゃ……)
『あれ、リーゼロッテは覚えてないんだ? よかったね、なのかな? ね、ヴァルト』
意味ありげに笑うジークハルトに、眉間にしわを寄せてジークヴァルトは心から嫌そうな顔をした。