ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「……最近、王城内はたいへんなようね」
アンネマリーは遠回しに聞いてみる。リーゼロッテはその言葉のまま受け止めたようで、少し心配そうな顔で言った。
「先日の騒ぎの後処理で、皆様お忙しいようだわ」
リーゼロッテは毎日のように王太子の応接室に通っていたが、最近ではジークヴァルトが席を外すことも多い。
王子とカイに至っては、その後ろ姿を遠くから幾度か見かけた程度で、遠目に見てもハインリヒは殺伐とした様子だった。まあ、カイの方は相変わらずに見えはしたが。
「特に王子殿下はお疲れのご様子で……」
リーゼロッテのその言葉に、アンネマリーは胸が締めつけられた。
自分も近いうちに王城を去らねばならない。そうすれば、ハインリヒと話すことはおろか、その顔を見ることすら叶わなくなるだろう。
アンネマリーはうつむいてその形のいい唇をかみしめた。
「アンネマリー?」
リーゼロッテが心配そうにのぞき込むと、部屋の扉が突然ガチャリと開いた。
アンネマリーは遠回しに聞いてみる。リーゼロッテはその言葉のまま受け止めたようで、少し心配そうな顔で言った。
「先日の騒ぎの後処理で、皆様お忙しいようだわ」
リーゼロッテは毎日のように王太子の応接室に通っていたが、最近ではジークヴァルトが席を外すことも多い。
王子とカイに至っては、その後ろ姿を遠くから幾度か見かけた程度で、遠目に見てもハインリヒは殺伐とした様子だった。まあ、カイの方は相変わらずに見えはしたが。
「特に王子殿下はお疲れのご様子で……」
リーゼロッテのその言葉に、アンネマリーは胸が締めつけられた。
自分も近いうちに王城を去らねばならない。そうすれば、ハインリヒと話すことはおろか、その顔を見ることすら叶わなくなるだろう。
アンネマリーはうつむいてその形のいい唇をかみしめた。
「アンネマリー?」
リーゼロッテが心配そうにのぞき込むと、部屋の扉が突然ガチャリと開いた。