ふたつ名の令嬢と龍の託宣
 開いた扉の前に、見事な赤毛の可愛らしい女の子が立っていた。金色の瞳が好奇心でキラキラと光っている。

「ピッパ様」

 そう言ってアンネマリーが椅子から立ち上がって礼を取ったので、リーゼロッテもあわててそれにならった。やってきたのは第三王女のピッパだった。

「礼などいいわ。顔を上げて」

 ピッパ王女はアンネマリーを一度見てから、リーゼロッテに視線を移した。

「あなた、名は?」

 小首をかしげた王女の問いに、「はい、リーゼロッテ・ダーミッシュにございます」と淑女の礼でそれに返した。

「あなた……星読みの王女にそっくりね」

 しばらく自分の顔を見つめていた王女にそう言われ、リーゼロッテは困惑した表情をのせる。星読みの王女は、この国に昔からある童話の主人公だ。

「星読みの王女……? ピッパ様、リーゼロッテが本の挿絵の王女に似ているのですか?」

 アンネマリーも戸惑ったように王女に問いかけた。

「違うわ。本物の星読みの王女よ。そんなことも知らないの?」

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