ふたつ名の令嬢と龍の託宣
しゅるりとリボンが外れた後、リーゼロッテは伏せていた瞳を上げて「ありがとうございます」と女官に静かに微笑んだ。
「マルグリット様……!」
「……母をご存じなのですか?」
息をのんだ女官の声に、リーゼロッテは小首をかしげる。女官はそれ以上は言葉にならないと言った風に、その顔に刻まれたしわを深めて郷愁を思わせる表情で目を潤ませた。
ふいに部屋の入口の方で、あわただしげなざわめきが起こる。一同がそちらに目をやると、開かれた扉から王妃が入ってくるのが目に入った。
「顔をお上げなさい」
礼を取っている一同にそう声をかけると、イジドーラ王妃はぐるりと部屋を見渡した。そこにリーゼロッテの姿を認めると、王妃はお茶会の時以上にぶしつけな視線を向けた。
(王妃様にめっちゃ見られてる!)
内心冷や汗をかきながら、リーゼロッテはずっと瞳を伏せていた。一同が王妃の言葉を待っていると、ピッパ王女が場の雰囲気などお構いなしに王妃に話しかけた。
「お母様、アンネマリーが家に帰るというのは本当ですの?」
王妃の視線を外れ、リーゼロッテは安堵のため息を小さく落とした。
「マルグリット様……!」
「……母をご存じなのですか?」
息をのんだ女官の声に、リーゼロッテは小首をかしげる。女官はそれ以上は言葉にならないと言った風に、その顔に刻まれたしわを深めて郷愁を思わせる表情で目を潤ませた。
ふいに部屋の入口の方で、あわただしげなざわめきが起こる。一同がそちらに目をやると、開かれた扉から王妃が入ってくるのが目に入った。
「顔をお上げなさい」
礼を取っている一同にそう声をかけると、イジドーラ王妃はぐるりと部屋を見渡した。そこにリーゼロッテの姿を認めると、王妃はお茶会の時以上にぶしつけな視線を向けた。
(王妃様にめっちゃ見られてる!)
内心冷や汗をかきながら、リーゼロッテはずっと瞳を伏せていた。一同が王妃の言葉を待っていると、ピッパ王女が場の雰囲気などお構いなしに王妃に話しかけた。
「お母様、アンネマリーが家に帰るというのは本当ですの?」
王妃の視線を外れ、リーゼロッテは安堵のため息を小さく落とした。