ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「まあ、見て」
アンネマリーの視線の先には、高い壇上にしつらえられた豪華な椅子に、深く腰かけながら優雅に足を組んでいる王子殿下がいた。不機嫌そうにひじ掛けに頬杖をついて、冷ややかな視線を令嬢たちに向けている。
令嬢たちは我先に近づいて、何とか王子に話しかけようとしていた。しかし、王子は手の届かない壇上で座っているうえに、その周りを近衛の騎士が固めていて、令嬢たちが近づくのを阻んでいる。熱狂的なファンを抑える、ライブ会場のガードマンのようであった。
「本当に毛嫌いされているようね」
令嬢たちをさげすむように眺めている王子に、さらにさげすむような視線をアンネマリーは送っていた。
「眼福だわ」
そのすぐ横では、祈るようなポーズでヤスミンが榛色の瞳をキラキラと輝かせている。
「王子殿下のうしろにいらっしゃる騎士様が、きっとジークヴァルト様ね」
ぎくりとしてリーゼロッテは思わずその方向に目をやってしまう。
アンネマリーの視線の先には、高い壇上にしつらえられた豪華な椅子に、深く腰かけながら優雅に足を組んでいる王子殿下がいた。不機嫌そうにひじ掛けに頬杖をついて、冷ややかな視線を令嬢たちに向けている。
令嬢たちは我先に近づいて、何とか王子に話しかけようとしていた。しかし、王子は手の届かない壇上で座っているうえに、その周りを近衛の騎士が固めていて、令嬢たちが近づくのを阻んでいる。熱狂的なファンを抑える、ライブ会場のガードマンのようであった。
「本当に毛嫌いされているようね」
令嬢たちをさげすむように眺めている王子に、さらにさげすむような視線をアンネマリーは送っていた。
「眼福だわ」
そのすぐ横では、祈るようなポーズでヤスミンが榛色の瞳をキラキラと輝かせている。
「王子殿下のうしろにいらっしゃる騎士様が、きっとジークヴァルト様ね」
ぎくりとしてリーゼロッテは思わずその方向に目をやってしまう。