ふたつ名の令嬢と龍の託宣 -龍の託宣1-
そこにいたのは騎士服を身にまとい、長い真っ直ぐなダークブラウンの髪をポニーテールでまとめた、青い瞳の美しい女性だった。しかし、その右目には眼帯がつけられ、眼帯の上下には傷痕とおぼしき赤いひきつれが垣間見える。
その赤い痕は、彼女のその美しい顔を見る者の、目を背けさせるのに十分な痛々しさを持っていた。
ハインリヒは、彼女を見つめたまま呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
彼女に会うのは、あの日以来だ。消し去ることのできない自身の罪が、今なお深く息づいている。そんなことは、分かり切っていたはずなのに。
その赤い痕は、彼女のその美しい顔を見る者の、目を背けさせるのに十分な痛々しさを持っていた。
ハインリヒは、彼女を見つめたまま呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
彼女に会うのは、あの日以来だ。消し去ることのできない自身の罪が、今なお深く息づいている。そんなことは、分かり切っていたはずなのに。