ふたつ名の令嬢と龍の託宣
アデライーデの報告が終わった後、キュプカーが「王子殿下、アデライーデ殿に王より勅命がくだっております」と言って、一枚の書状を差し出した。
その書状を受け取ったハインリヒは、その内容に絶句した。
王が自分にまかせた執務や決定に口を出すなど、今までただの一度もなかったことだ。猛烈なダメ出しを食らったようで、ハインリヒはその麗しい顔を凍らせた。
王の勅命は絶対だ。
しかし、なぜ今なのだ。
いや、とハインリヒは思った。
(――今、だからなのか)
ハインリヒは自分の弱さに絶望を感じた。
「勅命は承知した。……この件は、後はジークヴァルトにまかせる」
ハインリヒが絞り出すような声でそう言うと、アデライーデは「御意に」と頭を下げ、部屋を辞していった。
その書状を受け取ったハインリヒは、その内容に絶句した。
王が自分にまかせた執務や決定に口を出すなど、今までただの一度もなかったことだ。猛烈なダメ出しを食らったようで、ハインリヒはその麗しい顔を凍らせた。
王の勅命は絶対だ。
しかし、なぜ今なのだ。
いや、とハインリヒは思った。
(――今、だからなのか)
ハインリヒは自分の弱さに絶望を感じた。
「勅命は承知した。……この件は、後はジークヴァルトにまかせる」
ハインリヒが絞り出すような声でそう言うと、アデライーデは「御意に」と頭を下げ、部屋を辞していった。