ふたつ名の令嬢と龍の託宣
「あなたたちも、最後まで浄化してあげられなくてごめんなさいね……」

 リーゼロッテが目の前の小鬼たちに視線を向けた。

 目の前のテーブルの縁には、三匹の小鬼たちが並んで座っていた。見た目は不細工だったが、どれもおめめがきゅるんとして愛らしく見える。

(またかわいくなってるし……)

 リーゼロッテの力は理解の範疇を超えると、カイはあきれる他なかった。

 小鬼たちに話しかけつつ、リーゼロッテは小さな緑色の光の粒を小鬼たちに投げて飛ばしている。小鬼たちは行儀よく順番に並んで、その粒を気持ちよさそうに受けとめていた。

 そんなリーゼロッテを横目に、カイは先ほどから自分を睨みつけている(ぬし)を振り返った。

「ジークヴァルト様。オレがリーゼロッテ嬢に大好きって言われたからって、そんな怖い顔しないでくださいよ」
「カイではない。紅茶がだ」

 小声で言うカイに、ジークヴァルトは即答した。

「もう、男の嫉妬は醜いですよ。ご自分の婚約者なんですから、リーゼロッテ嬢の愛は自力で掴んでください」

 あきれるように言うと、ジークヴァルトは言葉に詰まり、ふいとカイから視線をそらした。

(何コレ、すっげーおもしろい)

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